角野隼斗 ショパンコンクールから広がる音楽業界の未来

角野隼斗 ショパンコンクール音楽
角野隼斗 ショパンコンクール

クラシック、ポップス、ジャズ、そしてロック、それぞれのジャンルで大活躍し、実績を出している凄腕ピアニストは、東大卒、さらに東京大学の大学院で音声情報処理を研究していた YouTuber 、って信じられますか?

それがショパン国際ピアノコンクールショパンコンクール)で3次予選まで進出した、角野隼斗(すみのはやと)さん。

この記事では、従来の音楽業界の枠を軽く飛び越え、世界の音楽シーンにも変革と影響を与えようとしている音楽家・アーチスト、角野隼斗さんの音楽の魅力を分かりやすく解説します。

  1. 角野隼人さん ショパンコンクールでの演奏動画まとめ
    1. ショパンコンクール3次予選(Stage3)での演奏動画
    2. ショパンコンクール2次予選(Stage2)での演奏動画
    3. ショパンコンクール1次予選(Stage1)での演奏動画
  2. 角野隼人さんの最近の目立った活躍をわかりやすく
    1. コンクール出場以外にもコンサートチケット完売、紅白出演など多彩な活躍
      1. テレビ番組 情熱大陸で取り上げられる
      2. ラジオ番組も継続
    2. 数々のコンクールも出場・受賞
      1. ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞
      2. リヨン国際ピアノコンクールで第3位(2位なし)
      3. ショパン国際ピアノコンクール セミファイナル進出
      4. フジロックフェスティバルに出演 紅白歌合戦で演奏
      5. テレビCMに音楽を提供
  3. 角野隼人さんの経歴
    1. 幼少期 ピアノの先生の母親のもとでは練習よりゲーム夢中
    2. 難関受験校の開成中高から東京大学へ
    3. バンドでデビュー、ユーチューバーとしてフォロワー100万人越え
      1. きらきら星の変奏曲
      2. トイピアノでの「3分クッキングを壮大にしてみた」
    4. コンクールなどでの受賞歴は5歳から
  4. 角野隼人さんの音楽活動
    1. ジャンルもメディアも従来の枠を超越! 幅広すぎる音楽活動の幅広さとその特徴
      1. ポップスで
      2. 自動採譜や自動編曲などを研究
      3. ユーチューバー「かてぃん」として
    2. 超定番から超マニアックまで!幅広い角野隼人さんのレパートリーの種類や特色
      1. CD を発表
      2. デビュー作でスクリャービン
      3. コンサートツアーではバッハの定番曲から
      4. ラフマニノフ、プシューキン、ガーシュイン
    3. ポップスでも活躍 ユーチューブではさらに実験的な試み 楽譜も発売
    4. 国内外の有名オーケストラとも共演
  5. 角野隼人さんの演奏スタイル
    1. クラシックの基礎をベースに、幅広い音楽性から見た俯瞰的な視野と繊細な感性でち密に描写
    2. 演奏に対する姿勢やこだわり
    3. コンサートや録音での実績や評価・口コミ
      1. 2時間あっという間
      2. コンサートの一部を撮影・SNSシェアOKに
      3. コンサートの一部を撮影・SNSシェアOKに
  6. 角野隼人さんの今後の展望 
    1. 今後の取り組みは?
    2. ファンや音楽業界からの期待も高まる
      1. 全国ツアーのチケットが完売
  7. 結論 異端児でありながら王道
    1. 角野隼人さんの音楽の魅力や素晴らしさについて
    2. 最後に

角野隼人さん ショパンコンクールでの演奏動画まとめ

2021年、ポーランドのワルシャワで開催された第18回ショパン国際コンクールでの角野隼人さんの演奏動画をまとめました。

ショパンコンクール3次予選(Stage3)での演奏動画

※1時間7分くらいからが角野隼人さんの演奏です。 マジョルカ~ポロネーズ・ファンタジー~ソナタ~スケルツォ。
※なお、11分からはファイナルで2位となった反田恭平さんの演奏。情感溢れます。

ショパンコンクール2次予選(Stage2)での演奏動画

※59分くらいからが角野隼人さんの演奏です。 ショパンのロンド・ア・ラ・マズール~バラード~ワルツ~ポロネーズ。

ショパンコンクール1次予選(Stage1)での演奏動画

※2時間38分くらいからが角野隼人さんの演奏です。 ショパンのノクターン~エチュード~スケルツォ。

角野隼人さんの最近の目立った活躍をわかりやすく

コンクール出場以外にもコンサートチケット完売、紅白出演など多彩な活躍

テレビ番組 情熱大陸で取り上げられる

ラジオ番組も継続

数々のコンクールも出場・受賞

ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞

角野隼人さんが、表立った音楽活動を始めるきっかけとなった2018年のピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞。

リヨン国際ピアノコンクールで第3位(2位なし)

続いて2019年にはリヨン国際ピアノコンクールで第3位、この時は2位なしでした。クラシックにあまりなじみのない方にはピンとこないかもしれんせんが、これだけでも、ものすごいことなんですよ!

ショパン国際ピアノコンクール セミファイナル進出

2021年には第18回ショパン国際ピアノコンクール、いわゆるショパンコンクールで角野隼人さんはセミファイナル(3次予選)まで進出しました。この時にファイナルで2位に日本人の反田恭平さん、4位にも小林愛実さんが入賞して、大きな話題になりましたよね。

角野さんは既に

  • 多くの国内外のオーケストラと共演
  • コンサート全国ツアーのチケットが完売
  • ソロリサイタルのチケットも5分で完売
  • ブルーノート東京(ジャズ)でのライブも大成功

と華々しい活躍をされています。

フジロックフェスティバルに出演 紅白歌合戦で演奏

2022年にはフジロックフェスティバルにも出演されており、20201年の大晦日には NHK の紅白歌合戦に上白石萌音さんのバックとして演奏されています。

 

テレビCMに音楽を提供

他にもテレビCMに音楽を提供したり、ポップスのバンドpenthouseのメンバーとしてメジャーデビューもしています。

 

驚く、では物足りない、、、呆れるほど多彩であり、多才ですよね。

角野隼人さんの経歴

幼少期 ピアノの先生の母親のもとでは練習よりゲーム夢中

角野隼人のお母さん、角野美智子さんは、国内でもトップレベルのかなりすごいピアノの先生で、ピアノ教室で多くの素晴らしいピアニストを育成しつつ、コンテストの審査員などもされるくらいです。妹さんもピアニストとして活躍されています。
このお母さんも本「「好き」が「才能」を飛躍させる 子どもの伸ばし方」を出版されています。インタビューに答えている中では、隼人さんは「子供の頃から数字と音楽にとても敏感だった」と言うことです。子供の頃には「絶対音感があって作曲もできる天才小学生」としてテレビでも紹介されたことがあります。

角野隼人さん、ピアノは好きだったようですが単調な練習が好きではなかったようで、むしろ音ゲーをしたりバンド活動をしたりしていたようです。

 

難関受験校の開成中高から東京大学へ

その中学高校は、日本でも屈指の受験校として知られている開成中学校・高等学校に進学しています。開成中学は偏差値70くらい。中学受験で入るだけでも大変な超難関校ですから、小学生時代から勉強も相当されたんでしょうね。

東京大学工学部に入学、卒業した後、東京大学大学院情報理工学研究科というところに入って、機械学習を使った自動採譜や自動編曲について研究をされています。その後、この東大研究室の推薦を受けて、なんと世界屈指の音響に関する研究施設である、フランス音響音楽研究所 IRCAM にも留学していました。IRCAMに行くというだけでも音響関係の技術者から見れば夢のまた夢、これだけでも本当にすごい偉業なんですよ。

バンドでデビュー、ユーチューバーとしてフォロワー100万人越え

2019年には東京大学のサークルの仲間とバンド「penthouse」を結成し、「かてぃん」名義でキーボードとして参加し、のちにメジャーデビューしています。

同じく2019年頃からはユーチューバー としても「かてぃん(Cateen)」いう名義で活動していて、チャンネル登録者も100万人以上という、世界でも屈指のフォロワー数を持つピアニストとなっていますね。

このCateen かてぃんユーチューブチャンネル(URL)で発表する音楽のジャンルは、一番新しいこと、実験的な内容も挑戦しやすいメディアであるためか、クラシックに限らず、ポップス、ジャズ、そしてゲーム音楽まで幅広く演奏したり、ストリートピアノで街の人を驚かせたり。自身で作曲、編曲などをされた曲も投稿されています。総再生回数はなんと1億回を超えているとか。なかでも面白そうなのは「きらきら星の変奏曲」や、トイピアノでの「3分クッキングを壮大にしてみた」という曲ですね。

きらきら星の変奏曲

トイピアノでの「3分クッキングを壮大にしてみた」

単なる「ピアニスト」というよりは、音楽家、ミュージシャン、、、、それでも狭すぎます。幅広く「アーティスト・表現者・クリエイター」と呼んだ方がいいかもしれませんね。

このように角野隼人さんは音楽大学には行かれていない、というのが興味深いところです。

コンクールなどでの受賞歴は5歳から

コンクールなどでの受賞歴も華々しいです。1995年生まれの角野隼人さん、2000年の第24回ピティナピアノコンペティション全国大会でのA2級優秀賞受賞(5歳ぐらいですよ)から、ほぼ毎年のようにピティナのピアノコンペティションに出場して、受賞などされています。2003年にはショパン国際ピアノコンクール in ASIA で小学1・2年生部門で金賞を受賞してるんですね。これもまだ8歳ぐらいの時です。

そして2011年、15歳の時でしょうか、第22回ショパン国際ピアノコンクール・イン・アジアの中学生部門でも金賞受賞しています。アジアも中国・韓国・シンガポールなどの若手ピアニストがぐんぐん成長してますから、受賞・入賞だけでも決して簡単ではありません。

2017年は第27回日本クラシック音楽コンクールで大学男子の部第3位を受賞しています。第3位ですが1位2位がなかったため最高位となっています。

そして翌年2018年、第42回のピティナ・ピアノコンペティションで特級グランプリを受賞しました。これをきっかけにプロのピアニストとしてコンサートを行ったり、といった演奏家としての活動を本格化させてきました。当時23歳でこの堂々とした演奏。すごいですね。

2019年にはリヨン国際ピアノコンクールで2位なしの第3位を受賞しています。2021年のショパン国際ピアノコンクールでは3次予選まで進み、セミファイナリストとなっています。

角野隼人さんの音楽活動

角野隼人さんの音楽活動を見てみましょう。

ジャンルもメディアも従来の枠を超越! 幅広すぎる音楽活動の幅広さとその特徴

普段からクラシックだけに限られずポップスやジャズも好む、という角野隼人さん。この華々しいクラシックでの受賞歴に限らず、東京ブルーノートで小曽根真さん(日本を代表するジャズピアニスト)と共演されています。

ポップスで

ポップスの世界でも

  • 自身のバンドでメジャーデビューしたり、
  • 「ゆず」さんの CD や中孝介さんの作品に参加したり、
  • さらには和太鼓グループと共演したり、

と、幅広い活躍をされています。

自動採譜や自動編曲などを研究

これらに加えて、ご自身の東京大学大学院での研究でも、自動採譜や自動編曲などを研究されています。

ユーチューバー「かてぃん」として

リアルの場、マスメディアだけでなく、ユーチューバー「かてぃん」としても、かなり自分の自由なアイデアを発表する場として活用されています。完全にクラシックのピアニストのという枠やイメージにはとらわれず、新しいメディアを使っての自己表現のひとつになっていますね。

こういった幅広い活動は、相互に支え合うものになっており、「全部を含めて角野隼人というアーティスト」を形作っている、と言えるでしょう。

超定番から超マニアックまで!幅広い角野隼人さんのレパートリーの種類や特色

角野隼人さんの演奏されているレパートリーの種類や特色も、超定番から超マニアックな楽曲まで幅広く、非常に興味深いです。様々な新しいことに興味や関心を持たれる角野さんなので、ひょっとしたらフィーリングで面白がっているだけ、かもしれませんが、むしろ、非常に緻密な戦略の上に選曲されているように感じます。

CD を発表

CD では2019年と2020年に1枚ずつ CD を発表をされています。1枚目のデビューアルバムの「パッション」では

  • ショパン
  • リスト
  • スクリャービン
  • ラフマニノフ

といった作曲家の楽曲を収録しています。ショパン、リスト辺りは普段クラシックにご興味のない方でもご存知かと思います。現代音楽のラフマニノフも近年、日本人のピアニストでも取り上げる例が多いので、「聞いたことはある」という方もいるかもしれません。しかし、デビュー作でスクリャービンを取り上げてきた、というのはなかなかマニアックですね。

デビュー作でスクリャービン

スクリャービンはロシアの作曲家で、若干43歳で亡くなった20世紀現代音楽の先駆者の一人。現代音楽で有名なストラヴィンスキーらにも大きな影響を与え、調性(いわゆる短調とか長調とか12音音階)の枠の中で作り上げられてきた従来の音楽を越えて、「その先」の世界を探求した方。こういうところは機械学習での自動採譜などを研究していた角野さんと響きあうところがありそうですね。

コンサートツアーではバッハの定番曲から

一方、最新の角野隼人さんのコンサート、2023年のコンサートツアーも既にチケットも完売となっていますが、この中ではあえてバッハの定番曲から始まっているのが非常に印象的だと思いました。

「誰でも知っている曲だからこそ難しい。また誰でも知ってる曲だからこそ、自分なりの表現が伝わりやすい」と考えたのでしょうか。そうは言っても有名な曲だからといって、演奏が簡単なわけでは決してなく、難度の高い曲でもあります。ピアニストとして非常にチャレンジングなレパートリーが目立ちます。

ラフマニノフ、プシューキン、ガーシュイン

2019年のツアーでは「ラフマニノフからのインスピレーション」がテーマでしたが、2020年には「プシューキン追悼コンサート」に出演しており、さらに2022年のツアーでは、クラシックの世界にジャズのテイストを持ち込んだ作曲家、ガーシュインがテーマになっています。

 

アルバム「hayatosm」にも収録されている角野さんご自身のオリジナル曲、角野さんが作曲された曲もコンサートの中には何曲か演奏されるのが、クラシックピアニストのリサイタルとしては珍しいところです。

ポップスでも活躍 ユーチューブではさらに実験的な試み 楽譜も発売

東京大学のサークルのメンバーで結成したバンド「penthouse」方では大人のポップスを演奏されているほか、 ユーチューブの中では、無料で多くの人が手軽に見れるというYouTubeの敷居の低さを活用して、例えば「きらきら星の変奏曲」「12の調によるバースデーの変奏曲」「犬猫のワルツ」「ティンカーランド」などを発表しています。このうち、「7つのレベルのきらきら星変奏曲」と「12の調によるバースデー変奏曲」は楽譜がヤマハミュージックエンターテイメントから出版されています。

誰でも知ってる曲を取り上げる敷居の低さや間口の広さ、そして専門性や自分自身の興味をとことん追求するマニアックさとのバランス感覚。これが絶妙で、見ていて面白い、目が離せない魅力を放っているのが角野隼人さんと言えますね。

国内外の有名オーケストラとも共演

既に有名なオーケストラとの数々の共演を果たしています。ご自身の角野隼人名義でダウンロード版のみで発表されているショパンの「ピアノ協奏曲第1番」では名門・ポーランド国立放送交響楽団と演奏して録音されました。
日本を代表するオーケストラ、日本フィルハーモニー、東京フィルムハーモニーともピアノ協奏曲ののソリストとして共演しています。

角野隼人さんの演奏スタイル

角野隼人さんの演奏スタイルについて解説します。

クラシックの基礎をベースに、幅広い音楽性から見た俯瞰的な視野と繊細な感性でち密に描写

角野さんははりお母さんが著名なピアノの先生ということで、クラシックピアノの演奏の基本がしっかりしています。そこに他のピアニストたちよりもかなり幅広い音楽をインプットが加わります。と言っても、ただ聞いたりするだけでなく、実際に人前で演奏して、そのジャンルでのトップのミュージシャンたちと共演したりして、強烈で新鮮な刺激を受けていますからね。

CDを作ったり、ユーチューブで発表したり、といった作品制作の過程を経験していることで、プロデューサー的な俯瞰的な視野を持たれているのではないでしょうか。それがショパンコンクールのように一人だけの作曲家の手による多彩な曲を演奏する、という難しい題目のコンクールで、1曲1曲の個性をバランスよく引き出せている要因ではないでしょうか。

このような俯瞰的な視野からもたらされる構成力、構築力に加え、ご自身の繊細な感性やムードを随所に感じさせる部分が、なんともたまらない魅力を持つピアニストです。

演奏に対する姿勢やこだわり

これだけ幅広い多彩な活動していながら、「俺が俺が」ではなく、「ちょっと面白いことを考えたからさ、聞いてみてよ!」という雰囲気でありながら、とにかく突き詰めてどう演奏するかを研究して、練習され、実際にこれだけ多くの聴衆を楽しませているところがすごいですよね。

「きらきら星」や「3分クッキング」のような、多くの人の興味を引くような気軽な入り口だからこそ、 YouTube などでよくあるような簡単な「あるある」「やってみた」というようなものではなく「あっ」と言わせるような作りこみとエンターテイメント性でファンを魅了し、引きずり込む。

そんな角野さんの姿勢やこだわりが、ユーチューブチャンネル登録者100万人越えという実績につながっていると思います。

コンサートや録音での実績や評価・口コミ

 

そんな角野隼人さんの演奏に対する姿勢が一番現れる場が、ご自身のコンサートや録音作品などでのパフォーマンス。素晴らしいですよね。多彩な共演者との出会いを祝福し、とにかく楽しんでいる様子が印象的です。

2時間あっという間

コンサートの一部を撮影・SNSシェアOKに

コンサートの一部を撮影・SNSシェアOKに

角野隼人さんの今後の展望 

角野隼人さんの今後の展望はどうなるんでしょうか

今後の取り組みは?

どのインタビューで読んだのかは忘れたのですが、以前、角野さんは「迷ったら両方やる」という名言を残しています。まさにこれです。ものすごいことを、ひょうひょうとやってのける、いい意味でのZ世代。これからも、さらに新しいこと、特にクラシックのピアニストが誰もやったことのないことに取り組んで、私たちを驚かせてくれると思います。

ファンや音楽業界からの期待も高まる

クラシック音楽のファンの方や音楽業界からの期待も高まっています。特にクラシック業界では、世界的に「演奏技術を高める」というところではある程度突き詰められてきて、行き詰っている感覚もあります。さらにここ数年の外出自粛などがあって、ライブやコンサートが実施しにくかったと言う背景もあり、「コンサート会場で身近に生楽器の音や響きを体感してもらう機会が大幅に減ってしまって残念」と感じている音楽家の方、非常に多いのではないでしょうか。

そんな中、角野さんのようにむしろ YouTube の動画公開や生配信を活用して、それまでよりもたくさんの方に見て頂いて、そういった人たちが今、実際にライブ会場に足を運んで、生音を聞いてくれる、というのは素晴らしいですよね。

全国ツアーのチケットが完売

実際にコンサートも全国ツアーのチケットが完売、というのはクラシックとしてはかなり異例のことです。高い音楽性だけでなく、エンターテイメント性、企画力、マーケティング力、そして発信力まで含めて全てが混沌となって、「角野隼人」という一人のアーティストの魅力を形作っていると思います。

同じこと、似たようなことをできる人が他にも現れるとはちょっと考えにくいですが、角野さんの表現スタイルをきっかけに、従来の型にはまったクラシックではなく、自由な自己表現としてのクラシック音楽、楽器演奏、作曲という見方を、より多くの方にしてもらえるようになるといいですよね。

結論 異端児でありながら王道

角野隼人さんの音楽の魅力や素晴らしさについて

ユーチューバー、東大理工学部卒、といった華々しいキャッチフレーズだけを見れば、一見、奇をてらった異端児のように見えるかもしれません。角野さんもそれを面白がっているのではないでしょうか。

そうゆったり構えていられるのも、国内でもトップレベルのピアノの先生を母親に持ち、しっかりしたクラシックピアノ演奏の基盤を持っているからこそ。その基盤を中心に貪欲に新しいジャンル、新しい実験に挑戦していく姿勢や過程そのものが、角野隼人というアーティストであり、多くの人をひきつけてやまない彼の魅力なのではないかと思います。

最後に

この記事では、あえて「天才」という言葉は用いませんでした。「才能がある」と言えば簡単かもしれません。しかし、若干27歳にしてこの自信、この落ち着き。相当に考え、悩み、血がにじむほど練習しぬいた時間があったはずです。

今後は何をやるのか、将来どうなりたいのか。ひょっとしたら、角野さんご自身も明確な計画はないかもしれません。新しいオファー、「一緒にこんなことをやろうよ」という話もたくさん来ているでしょう。CD やデジタルダウンロードの音源の発売も期待されます。

一挙手一投足から目が離せない、次に何をやるかわからないから夢中にさせるほど面白い。現代では珍しいほど、ギラギラと魅力的な光を放つ角野隼人さん。今後の活動を楽しみにしたいと思います。そんな角野隼人さんの2023年の全国ツアーも行われています。ぜひ一度、生で聞いていただきたいです。

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